タイ・フリーク55(Thai Freak55)

タイ、タイ語についての個人的な記録

  タイ・フリーク55(Thai Freak55)のナビゲーター   topページ > 文学 > ラーマーヤナ―インド古典物語 (下) (レグルス文庫 (2))  

ラーマーヤナ―インド古典物語 (下) (レグルス文庫 (2))

2012 - 08/15 [Wed] - 01:00

ラーマーヤナ―インド古典物語 (下) (レグルス文庫 (2))ラーマーヤナ―インド古典物語 (下) (レグルス文庫 (2))
(1971/07/10)
河田 清史

商品詳細を見る

■内容紹介
インド伝説の英雄ラーマを主人公とする歌物語。「五の巻」シータの発見・ハニューマンの活躍・捜索隊の帰還、 「六の巻」猿の大群・強敵インドラジット・ラーバナの最期・凱旋、など17話を収める。

■レビュー
下巻では、特に仏教的な発想との共通点が多く見出される。

★人と環境
ラーマーヤナ」では、“登場人物”と“周囲の環境”が互いに呼応するシーンが、たびたび描写される。
単なる文学的描写としてではなく、仏教でいう「依正不二(えしょうふに)」の思想が根底にあることが窺える--人間の主体性と、それをとりまく環境は、互いに連関しているとの思想。
・空間的には、環境・境遇の良し悪しは、それを感じる人間主体に原因が内在しており;
・時間的には、時代(環境)に流されるか、主体的に時代をリードしていくかは、人間の微妙な一念の差に帰結する。
経済的には「市場の創出」が一例。

例えば、
 ・父王との約束を果たすため、祖国からの追放を受け入れたラーマと、それにお供するシータやラクシマナが、深い森に入ると、森の猛獣たちがお辞儀するなど敬意を払うシーン(上巻);
 ・悪魔の恐ろしさにおののいて、月や星が一瞬にげだすシーン;
 ・悪魔を破り、ラーマとシータの一行が凱旋する道中、通り過ぎた山や川が喜んで新たに命名されることを求めたり、草木が生き生きとしだすシーン

他、印象にあったのは、
周囲がシータの救出を目的としていたのに対し、ラーマ王子は他の囚われている婦人たちも含め、全てを救出することを目的とし、唯一の手段、インドからランカ(Sri Lanka?)まで橋を掛ける決意をしたこと。
この真剣な決意(人間の主体)を回転軸に、太陽や月の天体、四季の季節、猿の天敵であった海の怪物までもが、ラーマの架橋工事を助けたとある。
まさに、人間主体の一念によって、環境と合致し、創造的発展をもたらした、依正不二の妙である。
エゴによる環境破壊の連鎖で果は自らを不幸にするか、個々の利点を活かして価値創造できるかは、人間主体の一念に起因するとの思想が読みとれる。

更に、倒した敵にも礼を尽くし、最強の悪魔が改心する姿は、
どんな生命にも仏性があり、改善を図れると説く仏教の教えそのものである。
現代では、死刑制度への否定的立場を取る仏教的見地の淵源に通じる。

★リスとハニュマーンの由来
悪魔との戦いに尽力した証として、黒顔になったハニュマーンの種族と、シマのあるリスの種族が、現在でもインドにいるとするのは、面白い。

読み終わって、
総体的に、非常に立体感ある流れと訳、道徳的で、現代との関連をもって読めた。

できれば近いうち、もう一方のインド二大古典叙事詩、
やや長編の「マハーバーラタ」も読んでみたい。

Post a comment





Only the blog author may view the comment.

Trackbacks:

http://thaifreak55.blog.fc2.com/tb.php/243-f4c265e0

 | HOME | 

カウンター

カテゴリ

虫 (2)
麺 (2)
魚 (0)

最新コメント

最新トラックバック

リンク

カレンダー

11 | 2018/12 | 01
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

検索フォーム

最新記事

RSSリンクの表示

QRコード

QR